ニュースレター

「抜け殻」の土地
(2002年1月号 VOL.6)

『抜け殻の土地』って皆さんご存知ですか?「なんだそれ?」って思いますよね!

実際にあった例ですが、ある不動産会社から土地を紹介されたAさん。
隣に大きなビルが建っていましたが日当たりは良く、周りは二階建ての建ち並んだ環境の良い住宅地だ ったので、二階建て二世帯住宅を建てる為に購入しました。
売主にお金も払い終わり、市役所に建築確認を申請したところ、

「この土地には建物が建てられない。」

と言われびっくり!

「だって周りには同じような住宅が建っているじゃないか。」とAさんも食い下がりましたが、どうしてもダメと の事。よくよく話を聞いてみると、この土地は元々隣にあったビルの敷地で、ビルを建てる時にこの土地も 含めた容積率で建てられていたのです。
その後何年か経って、持ち主が転々と変わり、この土地を分けて売り出したのです。この場合この土地に は建物が建てられません。見た目には何ともない土地で周りにも同じような家が建っていますが、建てら れないのです。すなわち「ぬけがら」だったのです。紹介をした不動産会社も良く調べずに取引をしたよう で、当然もめにもめたそうです。

・・・ここで「容積率」のご説明を簡単にしますと、容積率とは敷地に対していくらまでの延床面積の建物が 建築できるかを「%」で決めたものです。例えば50坪の土地で容積率が100%だと50坪までの建物が建築 できるということになります。・・・
抜け殻の土地も地続きなら注意すれば気づくことができたかもしれませんが、今回のケースはそのビルと 土地が数回の取引で持ち主が変わり、間にブロック塀立てられたため、一見しただけでは誰も気づかな かったようです。
成田市にも抜け殻とまではいかないですが、隣接の建物に容積率を取られているため、実際の容積率の 8割くらいまでしか建築できない土地もありました。
一般の住宅地ではあまり例が無いですが、もし購入しようとする土地の隣接に大きな建築物がある場合 は注意した方が良いかもしれません。

(南)
2002/1

関連/
   
 ●