ニュースレター

あかつき&イカロス
(2010年5月号 VOL.106)

今月21日午前6時58分、種子島にある宇宙センターから日本初の金星探査機「あかつき」と相乗り衛星 「イカロス」などを搭載したH2Aロケットが打ち上げられましたね。
H2Aとしては初めて、地球の重力圏外への打ち上げだそうです。
惑星の大気は通常惑星と一緒に運動しているそうですが、金星の大気は、金星の自転速度の60倍にあ たる時速360kmというとてつもない速さで循環しています。これを「スーパーローテーション」と呼び、金星 最大の謎といわれています。

今回、金星探査機「あかつき」は、このような金星の大気の謎を解明することが目的で、金星の軌道に投 入されます。その軌道は、金星表面からの距離300kmから8万kmまで変化する楕円軌道を描きます。この 距離の違いを利用して、金星全体の気象現象や地表面を広い範囲で調べ、謎の解明に迫るそうです。
もうひとつの小型ソーラー電力セイル実証機「イカロス」は、帆を広げ太陽光圧を受けて推進する世界初 の宇宙ヨットです。
本体は直径1.6mの円筒形で、それに一辺の長さ14m、対角線の長さが20mもある正方形の帆が広がり ます。
その帆の厚さは、0.75mmでなく0.075mmでもなく、なんと!!!わずか0.0075mmなのです!
 親指と人差し指でその厚さを想像してみてください。

すぐ破れそうですが、ポリイミド樹脂という非常に丈夫な素材でできているそうです。
でもその20mもある帆をどうやって広げるの?って思いますよね。
それが今回のイカロスの大きなミッションの1つなのです。
イカロス本体側面に4辺を固定された正方形の薄い帆が巻きつけられていますが、まずイカロスの本体を スピンさせて巻きついたこの帆の四隅を、その遠心力によって広げます。するとちょうど手裏剣のような形 になります。
そして、帆の辺の中央にあたる部分を固定した4箇所のロックを外し、帆全体を遠心力で広げるそうです。
例えるなら、風呂敷に包まれた帆立貝がクルクル回って風呂敷を広げるような感じといったところでしょう か・・・。(笑)

帆だけで宇宙空間を航行できること及び薄膜太陽電池で発電できることの世界初の実証をめざすそうで す。
「イカロス」は私的には見た目でヨットというより『空飛ぶじゅうたん』や『仮面の忍者赤影』をイメージしてし まうのですが。(笑)
是非成功して欲しいものです。 「だいじょ〜ぶ」by青影

※「あかつき」「イカロス」の状況など詳しくはJAXAホームページをご覧ください。 

(大)
2010/05

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